2006年02月13日

第8話 知られざる過去

 3人になった新生サバレンジャーはその後も順調に修行をこなしていった。3人になり、さらに内容の濃い充実した日々を送れているようだった。そして2年の月日が流れたある日、いつも通りの修行を終えた3人は、先日ツタヤで借りてきた映画「いかレスラー」に胸躍らせながら家に向かって歩いていた。その時、ふとブルーが口を開いた。

「なあ、レッドヘビ。どうしてお前とオレンジは18年間も離れ離れだったヘビか?連絡先をしってるヘビなら、タピオカ星人との戦いの時だって助けを借りられたはずヘビよ。」

 レッドは、いらんことを聞くなとばかりにブルーを睨みつけた。

「わ、悪かったヘビ・・。ちょっと気になっただけヘビよ。」
「ブルー。悪いがそれだけは聞かないでくれ。一生のお願いだ。」

 レッドはそういうと一瞬オレンジに視線を向けた。オレンジは無表情でうつむいたままだった。

「レッド。わいは2人を親友と思っているヘビ。秘密にされたままじゃ、命かけて2人と一緒に戦う覚悟ができないヘビ。頼むヘビ!教えてくれヘビ!すまんヘビ。2人を疑っているわけではないヘビけど。」
「・・そうか。そうだよな。お前は俺たちに嘘偽りなくすべてをさらけ出してくれている。それなのに俺たちには秘密がある。フェアじゃないよな。俺もイチローと同じように何事もフェアプレーを重んじるんだ。わかった!すべて話そう!いいな!?姉ちゃん。」

 オレンジはようやく顔を上げ、少し投げやり気味に言った。

「あんたの好きにしな!」

 オレンジはそう言うと再び何かを避けるようにうつむいた。

「さて、姉ちゃんからの許可も出たところで話すとするか。」
「レッド。ありがとうヘビ。」
「まあ、気にするな。ブルー。俺たちは確かに腹違いの姉弟だ。そして俺が高校を出るまで一緒に暮らしていた。親に捨てられた俺たちにとって毎日が生きるための戦いだった。明日の食い物にも困る生活が続いた。俺は学校に通いながら板前のバイト、中でもイカの握りは親方に匹敵するほどだったんだぜ。姉ちゃんは中学を卒業してからずっと近くのプラネタリウムで、偽物の星のバイトに明け暮れてた。しかし、そんな夢も希望もない生活に愛想が尽きた俺は、高校を出たらイカしたタコになりたいと姉ちゃんに打ち明けた。タコの方が足も少なくてスタイルもいいしな。鍛えればタコになれると本気で信じていたんだ。俺は。もちろん、姉ちゃんは大反対だった。あの時の姉ちゃんったら、全身から何だか酸っぱい汁を出しやがって大変だったんだ。くせえし。」

 オレンジはレッドを何か言いたそうな目で睨みつけた。しかし、レッドは気にせず続けた。

「高校生という人生の中で最も多感な時期を過ごしていた俺は、そんな反対など気にも止めなかった。そして家を出る時、姉ちゃんは言った。2度と戻ってくるなってな。もちろん俺も戻ってくる気なんてなかった。しかし家を出て3日後、知り合いのタコじいさんのもとを訪ねた俺は衝撃の事実を知らされた。なんとどう頑張ってもイカはタコになれなかったんだ。そもそもまったく別物の生物なんだそうだ。早々、壁にぶち当たった俺は家に戻ることも考えた。しかし、あんだけ意気揚々と飛び出してしまった手前、そんなことできるはずもなかった。そしてそのまま18年という月日が流れたわけよ。」

 今まで黙ってレッドの話に耳を傾けていたオレンジがようやく口を開いた。

「ほんとにあんたは馬鹿よね!イカがタコになれるはずないってあんだけ言ったのに。あんたのことどれだけ心配したか!」

 何かが弾けたような勢いで話すオレンジの目にはうっすらと光るものが見えた。

「・・姉ちゃん。泣いてるのか?」
「泣くわけないじゃない!なんであんたなんかのために・・あんたなんかの・・うう。」

 オレンジは堪えきれずうずくまり声を押し殺して泣いた。

「・・姉ちゃん。ごめん。」
 
 レッドはオレンジの肩にそっと手を回し、優しく語りかけた。まさにバラ珍並の感動的シーンであった。そしてその側でブルーは誰よりも激しく泣いていた。

「スネ〜クスネ〜ク・・。」

 

 


posted by Flyers at 23:02| Comment(2) | TrackBack(0) | サバレンジャーforever | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
個人的には今シリーズ最高の出来の回だと思った。っていう真面目な評価。
Posted by Flyers No.2 at 2006年02月15日 20:33
あら、それはありがとう!
Posted by Flyers at 2006年02月16日 01:06
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