2006年02月06日

第2話 迷い

 部屋に戻った川島はベッドに横たわり、ぼんやりと上を見上げていた。川島は迷っていた。いよいよ憎むべき地球人を滅ぼすことができることの喜びに浸りながら、どこかで地球にいる両親のことが気になっていた。
 
「僕は何を迷っているんだ!僕は地球人を滅ぼすためにこのアキレス星にやってきたんじゃないか。ようやく願いがかなうんだぞ!嬉しいことじゃないか!あははは!!」

 川島は内に秘めた複雑な感情をかき消すように無理やり笑った。するとその時、何者かが部屋のドアをノックした。

「誰だ!?」
「・・・わしじゃあ。川島、開けてくれんかのお。」
「なんだ。監督ですか。鍵はかかってないですよ。」
 
監督と呼ばれる男はそっとドアを開け、部屋の中に入ってきた。

「なーにしとる。浮かん顔して。おなごにでもふられたか。」
「・・いえ、何でもありません。それより、何か?」
「まあな。ちょっとした噂を耳にしたんじゃ。なにやら、タピオカーン様は今度地球を攻めるそうじゃないか。地球といえば、お前の故郷じゃったよなあ?」
「・・え、ええ。確かに私は地球で生まれました。しかし、もう縁は切れております。それどころか、地球人に対しては憎しみしか持っておりません。言いたいことはそれだけですか?でしたら帰っていただきたいのですが。少し1人になりたいので。」

 川島はドアを開け、監督を部屋から出るように促した。

「川島。迷っておるんじゃろ。わしにはわかる。わしはお前が5年前、泣きながらこの星にやってきてから教育係として1番近くにいたんじゃ。お前の気持ちは手に取るようにわかる。」
「な、何を言うんですか。さ!早く帰ってください!」
「まあ、落ち着け川島。憎んでいるといえど、自分の生まれた星じゃ。両親や友達も住んでおる。そんな地球への総攻撃が決まった今、捨てたと思っていたたくさんの思い出が戻ってきたじゃろ。無理もない。お前はまだ15歳じゃ。悪者にはなりきれんよ。」
「何が言いたいんですか!!これ以上変なこと言うと、いくら監督でも許しませんよ!」
「ふふふ。もう何も言わん。よーく考えることじゃな、川島。本当に大切なのは何なのかをな」

 そう言い残すと監督は部屋を出て行った。

「ちくしょー!僕はどうすればいいんだ!うおおおお!!」

 川島は泣いた。一晩中泣き続けた。

 そして翌朝。
 
 川島は手にペンを持ち、手紙を書いていた。その宛て先は・・・。


 
posted by Flyers at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | サバレンジャーforever | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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