2006年02月06日

[外伝]エピソードW 新たなる希望

この物語は、アキレス星最高の指導者であり8年前に地球にて永眠された故・タピオカ星人元帥が生前書き記した自伝である。

 私は決意した。我が故郷である地球を侵略し、征服することを。厳しい戦いになるだろう。ひょっとしたら二度とこのアキレス星に帰って来ることはできないかもしれない。それでも私は行く。カーリングマンややせの大食いマンなど素晴らしい右腕たちが大きな支えとなってくれている。しかし万一の場合に備え、この自伝を書き自らの波乱に満ちた人生をこの星の人々に残すこととした。この自伝は後世語り継がれ、またミリオンセラーになることであろう。80部ぐらいは売れるだろう。

 この物語をお読みの諸君に、はじめに謝っておかなければならない。この自伝は全部で6つのエピソードで構成されており、大きく二つに分けてTからVまでを「地球期」、WからYまでを「アキレス期」とする。しかし地球期時代の様々な出来事を思い出すにはいささか年を取りすぎてしまった。大至急アキレステレビ(ATV)の地球支局から資料を取り寄せてはいるが、いかんせん時間もない。そこで記憶のしっかりしているアキレス期から書き始めることとする。これによりエピソードの展開はW→X→Yと行ったあとTに戻りU、Vで完結する順番となっている。この過去に例のない構成には慣れるまで時間がかかるかもしれないが、我ながら斬新だと自負している。これで85部ぐらいは売れるだろう。

 こんにちは、タピオカ星人です。さて、アキレス期序盤の話をしようと思う。私はとある理由で地球からやって来たのだが、はじめはとにかく言葉の問題に戸惑っていた。そもそもこの星に来たのも本望ではなかったため毎日ふさぎ込んでしまい、部屋で電気もつけずに膝を抱え涙にくれていた。

 来アして1ヶ月ほど経った頃だろうか。来アしたことを後悔し始め、帰国しようかな、でも来アしたからにはこの星で暮らして行こう、いや帰国したら楽だろうな・・・。「在ア」か「帰国」か。私の頭の中では天使と悪魔が朝まで生討論を始め、また喫茶店では奥さま方がどちらがおごるかで譲り合っていた。しかしそんな悶々とした日々も、ある人の登場によって一変したのだった。

 「スジャータァ、スジャータァ〜」

 私は耳を疑った。地球で慣れ親しんだスジャータのCMソングが家の外から聞こえてくるではないか。小鳥のさえずりと聞き違えるほどの美しいその声。私は表へ飛び出した。そのとき私の目に飛び込んできたのは、スジャータのように白い肌のうら若きティーンネイジャーだった。まさに褐色の恋人である。

 「あのう、すいません」
 「はい?何か」
 「一つ質問させてください。練っておいしいのは?」
 「ね、ねるねるねるね?」
 「やっぱり地球人だ、それも日本!しかもCM好きと見た」
 「じゃああなたも!?」
 「ええ、日本から来ましたタピオカ星人と申します」
 「私は高橋クリープ。よろしくね」
 (クリープなのにスジャータの歌を歌っていたのか・・・)

 その瞬間から、私たち二人の薔薇色に塗られた時計の針は動き出した。新たなる希望。お互いCM好きという共通点もあり、すぐに意気投合した。私は生涯の伴侶を手に入れ、ビフィズス語(注・アキレス星の公用語である)の腕もめきめき上達し始めた。リサ・ステッグマイヤーの日本語と比べても、どちらかといえば私の方が上手いと思う。6:4で私の方が上手いと思う。ちなみにリサ・ステッグマイヤーの本名は梨沙子・ステッグマイヤーである。最近ではトライアスロンなどにも挑戦し、今後の活躍が益々期待される。

 話を元に戻そう。家族が増え、語学を身につけた私は働くことを考えた。しかし日本で旅行代理店のいち営業マンだった私には手に職がない。さらに一周15kmと狭いアキレス星には旅行という文化がなく、代理店業もなかった。この星で私は何ができるだろう。

 そうだ、どうせならこの星で一番になってやろう。その足で私は大統領の元へ向かった。
posted by Flyers at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | タピオカ星人自伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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