2006年03月23日

第17章 再会

「みんな!準備はできたか!?」

 レッドは声を張り上げた。メンバーに準備の最終確認を促すと同時に自分に気合いを入れているようだった。

「準備オッケーヘビ!」
「あんた。何偉そうな口きいてるの。」
「いいわよ。」

 ブルー、オレンジ、田中の3人も準備万端といった様子でレッドに応えた。

「じゃあ、行くぞ!」
「おう!!」

 サバレンジャーは再び気合いを入れ、玄関のドアを開けた。

「あ!ちょっと待ってくれヘビ!」

 ブルーが何かを思い出したかのように足を止めた。

「どうした?ブルー?」
「すまんヘビ。歯ブラシを忘れたヘビ。」
「・・・歯ブラシ?歯ブラシなんか必要ないだろ。そもそもお前は歯を磨くのか?」
「磨くヘビよ!男の身だしなみは歯からって決まってるヘビ。」
「・・・。急いでとってこい。」

 レッドはあきれた様子で言った。

「まったくあいつは何をしに行くんだか・・。」
「まあまあ、いいじゃない。ああいうムードメーカーが1人はいないとつまらないわよ。」

 田中はレッドの肩を叩きながら言った。

「・・それはそうだが。」

 レッドはまだ腑に落ちないといった様子で険しい顔をしていた。
 そうこうしているうちに、歯ブラシを抱えたブルーが小走りで戻ってきた。

「みんな、すまんヘビ。出発するヘビ!」

 ブルーは軽く頭を下げると図々しく先頭に立ち、再び玄関のドアを開けた。

「レッドヘビ!!」

 ブルーが驚いた顔をして後ろを振り返った。

「なんだ。お前、また忘れ物かよ。もういい加減にしろよな。」
「違うヘビ!外を見るヘビ!!」

 レッドはブルーに促されるままに外に目をやった。すると、男が1人立っていた。

「・・ん?誰だ?」

 レッドは謎の男に警戒しながら声をかけた。

「・・・お父さん、お母さん、ブルーおじさん。久しぶりだね。」

 男はこれまでの硬い表情とは一転して満面の笑みを浮かべた。

「ま、まさか。お前、川島なのか!?」
「うん。5年ぶりかな。お父さん老けたなあ。」
「・・・お、お前。」

 レッドはおもむろに川島を抱き寄せた。その目には大粒の涙が光っていた。

「おい、田中!お前も来い!」

 レッドは後ろでレッド以上に号泣していた田中を呼んだ。こうして、親子3人が5年ぶりの再会を果たしたのだった。

「スネ〜クスネ〜ク。」
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2006年03月21日

第16話 裏切り

 ちょうどその頃、川島はどこかに向かっていた。

「うまくいったようだな。今頃タピオカーン様たちは大騒ぎだろう。この計画を監督から言われた時は一体どうなるかと思ったが、とりあえずよかった。一刻も早くお父さんの家に向かわないと。」

〜出発3日前〜

「監督。本当にうまくいくのでしょうか。」
「川島。心配するな。ご両親を助けたいんじゃろ。」
「そうですが・・。」

 川島は話終わると自分の部屋に戻った。

「・・・本当に大丈夫だろうか。地球に到着する瞬間に宇宙船を脱出するなんて。監督が極秘でユメノツヅキとかいう機械を持ってきてくれたけど、何度練習してもすごい衝撃で脱出なんてできない。あと3日か。急がなくては。」

 川島は自分の部屋に戻り、再び脱出の練習を始めた。

〜〜〜〜

 川島は上野駅から新幹線の乗り換えた。

「いよいよだな。僕は決めたんだ。お父さんと一緒に戦うって。やっぱり僕が生まれ育った地球を滅ぼさせるわけにはいかないよ。タピオカーン様にはお世話になったけど、これだけは譲れない。待ってて。お父さん。」

 川島はサバレンジャーと共にタピオカーン一味と戦うことを決意していた。そして川島を乗せた新幹線は、サバレンジャーと川島の知られざる未来を乗せて走り出した。

posted by Flyers at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | サバレンジャーforever | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月11日

第15話 絆 

「ちょっと待って!」

 タピオカーン一味到着のニュースを聞き、すぐさま現場へ向かおうとしたサバレンジャーに田中が声をかけた。

「どうした?田中。」

 レッドは振り返って田中を見た。

「わ、私もついていっちゃだめかしら?」

 田中はうつむきながら小さな声でつぶやいた。

「田中。お前は来ちゃだめだ。今回の戦いは今までで1番厳しいものになるだろう。俺だって命を落とすかもしれない。それなのにお前を連れて行けるわけないだろう。」
「お願い。あなたと一緒に行きたいの。無謀かもしれない。でも、このまま家にいたら絶対後悔すると思うの。わたしも一緒に戦う。いつもあなたと一緒だったじゃない。死ぬときも一緒よ。お願い。連れて行って。」
「・・・田中。」

 レッドは突然のことに迷っていた。するとそれを見ていたオレンジが口を開いた。

「あんた。連れて行ってあげなよ。あんたのことをここまで考えてくれている人なんて他にいないわよ。私でも無理。それに、今は1人でも多く人手がほしい時じゃない。」

 それを聞いたブルーがオレンジに続いた。

「そうヘビよ!田中はんの気持ち、大事にしてあげなきゃだめヘビ。それに川島だってタピオカーンと一緒に地球に来ているはずヘビ。会わせてあげたいヘビ。」
「・・姉ちゃん。・・ブルー。」

 レッドはオレンジとブルーの方を見ずにただ2人に名前をつぶやくだけだった。そして3分ほどの沈黙を経て、レッドが何かを決心したように言った。

「・・わかった。一緒に行こう。」
「あなた。ありがとう!ほんとにありがとう!」

 田中は満面の笑みでレッドにお礼を言った。しかし、レッドはそれに反応することなく続けた。

「ただ1つ条件がある。俺が危険だと判断したら、必ず逃げると約束してくれ。」
「・・え。」

 田中はレッドが提示した条件に困惑している様子だった。

「・・・わかったわ。約束する。」
「よし、決まった。時間がない。早く準備するんだ。」
「・・うん。」

 田中は出発の準備をするため、自分の部屋に戻った。

「俺たちもこの間に準備だ!一刻を争うぞ!」

 レッド、オレンジ、ブルーの3人は着の身着のまま出発しようとしていたため、何の準備もしていなかった。3人も各自の部屋に戻り、出発の準備を始めた。


posted by Flyers at 19:23| Comment(1) | TrackBack(0) | サバレンジャーforever | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月09日

第14話 失踪

 "アキレス腱が切れるまで〜!"という合言葉とともにアキレス星から地球へとワープしたタピオカーンと少年隊。彼らの宇宙船はとてつもない勢いで地面に叩きつけられた。

「み、みんな生きてるかタイ?」

 タピオカーンは少年隊に無線で応答を求めた。

「う、うう。何とか大丈夫みたいで〜すよん。」
「生キテオリマス。」
「ほい。あたしもなんとか。」

 少年隊のうち3人からはすぐに応答があった。

「ん?ぽっちゃり君はどうしたタイ?ぽっちゃり君!?応答するタイ!」
「・・・。」

 タピオカーンがいくら叫んでもぽっちゃり君からは何の反応もなかった。

「タピオカーン様。カマーンで〜すけど、ぽっちゃり君は完全に寝ているみたいで〜すよん。ほら、かすかに寝息が聞こえませ〜んか?」
「何だとタイ!?」

 タピオカーンは声を押し殺して耳をそばだてた。

「・・・zzz。」
「ほんとだタイ。寝てるタイ。ぽっちゃり君はあんな激しいワープ中に寝てしまったタイか。なんと言ったらいいタイ。」

 タピオカーンはぽっちゃり君の図太い神経にあきれていると、突然ロボドリアンから無線が届いた。

「タピオカーン様!ロボドリアンデス!ワタシ川島ノ宇宙船ノ隣ニイルンデスケド・・・。」

 ロボドリアンは動揺してうまく話せていなかった。

「ロボドリアン!どうしたタイ!」
「川島ガ・・。川島ガイマセン!!」

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2006年03月01日

第13話 ユメノツヅキ

 サバレンジャーをあざ笑うかのような超スピードで地球に到着したタピオカーンたち。アキレス星と地球との距離を考えると、想像を越えた早さであった。では、なぜ彼らはこのような早さで地球にやってくることができたのだろうか。少し時間をさかのぼってみよう。
 ここは出発当日のアキレス星。タピオカーンは選ばれた少年隊の面々を自宅の居間(6畳)に集めた。

「いいかタイ!いよいよ今日、地球に向けて出発するタイ!我々の力を持ってすればサバレンジャーなど大したことないタイ!ただタイ!油断だけはするなタイ!そうすれば必ず勝てるタイ!」

 タピオカーンは少年隊1人1人の顔を見回し、それぞれのこの侵略における意気込みを確認しているようだった。

「な〜んだタイ。川島。そんな暗い顔してタイ。新人でわしに付き添えるなんて光栄じゃないかタイ。」
「・・・。」
「まあいいタイ。監督から何を吹き込まれたかわからんが、お前には頑張ってもらわんと困るタイ。ヘマしたら承知せんタイ!」
「・・・はい。」

 川島は最後までタピオカーンと目を合わせようとはしなかった。

「タピオカーン様。そんなことより、早く出発しないと地球に着くのが遅れてしまい〜ますよん。地球まではどんなに早くても1週間はかかるはずで〜すよん。」

 カマーンは何も言わない川島に郷を煮やし、タピオカーンに出発を促した。

「そう焦るなタイ。確かに今まではそれくらいかかっていたタイ。実際にタピオカ星人の時も10日かかったみたいだタイ。だが、今回は一瞬で着く予定だタイ。」
「エ!?タピオカーン様。ソレハ絶対ニ無理デスヨ。」
「そうですよ〜。ワープなんてできないで〜すから。」

 少年隊は一斉にタピオカーンに向かって不満を漏らした。

「ワープかタイ。それができるんだタイ。こっちに来いタイ!タツノリ博士!」

 タピオカーンがそう言うと、隣の部屋から野球帽を被った爽やかな青年がやってきた。

「紹介するタイ。彼はタツノリ博士タイ。かつてアキレス星の野球プロリーグで打点王を獲ったこともあるタイ。今ではその経験を活かして、行動力学の研究者として日々頑張ってくれているタイ。」

 タツノリ博士はそう紹介されると一礼して口を開いた。

「はじめまして。私、タピオカーン愛をモットーに日々行動力学の研究に励んでいるタツノリ博士と申します。時間がないので早速ですが、私が先日開発したユメノツヅキの説明をさせていただきたいと思います。」

「ユメノツヅキ?何なのそれは〜?インチキ臭い名前だわ〜。ね〜、手羽先マン?」
「ほい。あたしもそう思うわ。ほい。」

 カマーンと手羽先マンは目の前に突然現れた謎の博士を未だ信じられない様子であった。

「まあ、聞いていてくださいよ。このユメノツヅキは簡単に言うと、全宇宙のあらゆる場所に一瞬でワープできることを可能にしたものなんです。」

「ナンダッテ!マサカソレガサッキタピオカーン様ガ言ッテイタ・・。」

 ロボドリアン信じられないといった様子で、短い手をバタつかせた。

「そうなんです。では、やり方を説明しましょう。まず、このユメノツヅキをみなさんの頭につけさせていただきます。そして宇宙船に乗り込み、出発と同時に合言葉を叫んでいただきます。」

「ほい。合言葉?なんなのよ、それ?ほい。」

「合言葉は"アキレス腱が切れるまで〜!"です。できるだけ大きな声で叫んでください。そうしないとユメノツヅキが反応しませんから。それだけです。簡単でしょ?」

 タツノリ博士はそう言うと、ユメノツヅキをタピオカーンと少年隊に配り始めた。

「なんだか信用できないわね〜。」
「カマーン!ぐだぐだ言ってないで、さっさと宇宙船に乗り込むタイ!」
「わかりましたよ〜。」

 ユメノツヅキを受け取ったタピオカーンと少年隊は各自の宇宙船に乗り込んだ。

「いいかタイ。みんなで同時に合言葉を叫ぶタイ!ぽっちゃり君!起きてるかタイ!?」
「・・・ふぁい。」
「よしタイ!ぽっちゃり君が起きてるうちにさっさと出発するタイ!いくタイ!せーのっ!」

アキレス腱が切れるまで〜〜〜〜〜〜!!!!!

 





posted by Flyers at 21:19| Comment(1) | TrackBack(0) | サバレンジャーforever | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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