2006年12月30日

魚戦隊サバレンジャー 登場人物紹介

ここでは「魚戦隊サバレンジャー」に登場する人物(?)を紹介します。

[サバレンジャーforever]
イカレッド
:魚戦隊サバレンジャーのリーダーとして、かつて地球を救ったことがあるが・・。
ウミヘビブルー
:サバレンジャーの一員。タピオカ星人との戦いの後、マダガスカルへと旅立つ。
川島
:イカレッドの息子。5年前に地球を飛び出し、アキレス星へ。タピオカ少年隊の1人。
田中
:イカレッドの妻。イカレッドにもう一度戦うように促す。
タピオカ星人
:アキレス星の元支配者。8年前に地球侵略を企てるが、サバレンジャーに返り討ちにあってしまう。
バッファロー・タピオカーン
:タピオカ星人の家の隣に住む酒屋の親父。タピオカ星人の仇を討つために地球侵略を企てる。
監督
:アキレス星における川島の教育係であり、良い相談役。

[タピオカ星人自伝]
高橋クリープ
:タピオカ星人の妻。偶然にも夫と同じく地球からアキレス星に移住した。CM好き。
大統領
:アキレス星の前支配者。タピオカ星人にその地位を奪われることに。律儀。
旅行代理店の男
:旅行代理店の社員ながら初めての旅行でタピオカ星人とともに香港へ。

[ミジンコブラック兄への手紙]
ミジンコブラック
:旧サバレンジャーの1人。生き別れの兄を探している。片言だがダジャレと四文字熟語が好き。
シジミブラウン
:ブラックの兄。タピオカ星人に仕えて地球を侵略し、サバレンジャーとなった弟と再会した。
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2006年03月23日

第17章 再会

「みんな!準備はできたか!?」

 レッドは声を張り上げた。メンバーに準備の最終確認を促すと同時に自分に気合いを入れているようだった。

「準備オッケーヘビ!」
「あんた。何偉そうな口きいてるの。」
「いいわよ。」

 ブルー、オレンジ、田中の3人も準備万端といった様子でレッドに応えた。

「じゃあ、行くぞ!」
「おう!!」

 サバレンジャーは再び気合いを入れ、玄関のドアを開けた。

「あ!ちょっと待ってくれヘビ!」

 ブルーが何かを思い出したかのように足を止めた。

「どうした?ブルー?」
「すまんヘビ。歯ブラシを忘れたヘビ。」
「・・・歯ブラシ?歯ブラシなんか必要ないだろ。そもそもお前は歯を磨くのか?」
「磨くヘビよ!男の身だしなみは歯からって決まってるヘビ。」
「・・・。急いでとってこい。」

 レッドはあきれた様子で言った。

「まったくあいつは何をしに行くんだか・・。」
「まあまあ、いいじゃない。ああいうムードメーカーが1人はいないとつまらないわよ。」

 田中はレッドの肩を叩きながら言った。

「・・それはそうだが。」

 レッドはまだ腑に落ちないといった様子で険しい顔をしていた。
 そうこうしているうちに、歯ブラシを抱えたブルーが小走りで戻ってきた。

「みんな、すまんヘビ。出発するヘビ!」

 ブルーは軽く頭を下げると図々しく先頭に立ち、再び玄関のドアを開けた。

「レッドヘビ!!」

 ブルーが驚いた顔をして後ろを振り返った。

「なんだ。お前、また忘れ物かよ。もういい加減にしろよな。」
「違うヘビ!外を見るヘビ!!」

 レッドはブルーに促されるままに外に目をやった。すると、男が1人立っていた。

「・・ん?誰だ?」

 レッドは謎の男に警戒しながら声をかけた。

「・・・お父さん、お母さん、ブルーおじさん。久しぶりだね。」

 男はこれまでの硬い表情とは一転して満面の笑みを浮かべた。

「ま、まさか。お前、川島なのか!?」
「うん。5年ぶりかな。お父さん老けたなあ。」
「・・・お、お前。」

 レッドはおもむろに川島を抱き寄せた。その目には大粒の涙が光っていた。

「おい、田中!お前も来い!」

 レッドは後ろでレッド以上に号泣していた田中を呼んだ。こうして、親子3人が5年ぶりの再会を果たしたのだった。

「スネ〜クスネ〜ク。」
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2006年03月21日

第16話 裏切り

 ちょうどその頃、川島はどこかに向かっていた。

「うまくいったようだな。今頃タピオカーン様たちは大騒ぎだろう。この計画を監督から言われた時は一体どうなるかと思ったが、とりあえずよかった。一刻も早くお父さんの家に向かわないと。」

〜出発3日前〜

「監督。本当にうまくいくのでしょうか。」
「川島。心配するな。ご両親を助けたいんじゃろ。」
「そうですが・・。」

 川島は話終わると自分の部屋に戻った。

「・・・本当に大丈夫だろうか。地球に到着する瞬間に宇宙船を脱出するなんて。監督が極秘でユメノツヅキとかいう機械を持ってきてくれたけど、何度練習してもすごい衝撃で脱出なんてできない。あと3日か。急がなくては。」

 川島は自分の部屋に戻り、再び脱出の練習を始めた。

〜〜〜〜

 川島は上野駅から新幹線の乗り換えた。

「いよいよだな。僕は決めたんだ。お父さんと一緒に戦うって。やっぱり僕が生まれ育った地球を滅ぼさせるわけにはいかないよ。タピオカーン様にはお世話になったけど、これだけは譲れない。待ってて。お父さん。」

 川島はサバレンジャーと共にタピオカーン一味と戦うことを決意していた。そして川島を乗せた新幹線は、サバレンジャーと川島の知られざる未来を乗せて走り出した。

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2006年03月11日

第15話 絆 

「ちょっと待って!」

 タピオカーン一味到着のニュースを聞き、すぐさま現場へ向かおうとしたサバレンジャーに田中が声をかけた。

「どうした?田中。」

 レッドは振り返って田中を見た。

「わ、私もついていっちゃだめかしら?」

 田中はうつむきながら小さな声でつぶやいた。

「田中。お前は来ちゃだめだ。今回の戦いは今までで1番厳しいものになるだろう。俺だって命を落とすかもしれない。それなのにお前を連れて行けるわけないだろう。」
「お願い。あなたと一緒に行きたいの。無謀かもしれない。でも、このまま家にいたら絶対後悔すると思うの。わたしも一緒に戦う。いつもあなたと一緒だったじゃない。死ぬときも一緒よ。お願い。連れて行って。」
「・・・田中。」

 レッドは突然のことに迷っていた。するとそれを見ていたオレンジが口を開いた。

「あんた。連れて行ってあげなよ。あんたのことをここまで考えてくれている人なんて他にいないわよ。私でも無理。それに、今は1人でも多く人手がほしい時じゃない。」

 それを聞いたブルーがオレンジに続いた。

「そうヘビよ!田中はんの気持ち、大事にしてあげなきゃだめヘビ。それに川島だってタピオカーンと一緒に地球に来ているはずヘビ。会わせてあげたいヘビ。」
「・・姉ちゃん。・・ブルー。」

 レッドはオレンジとブルーの方を見ずにただ2人に名前をつぶやくだけだった。そして3分ほどの沈黙を経て、レッドが何かを決心したように言った。

「・・わかった。一緒に行こう。」
「あなた。ありがとう!ほんとにありがとう!」

 田中は満面の笑みでレッドにお礼を言った。しかし、レッドはそれに反応することなく続けた。

「ただ1つ条件がある。俺が危険だと判断したら、必ず逃げると約束してくれ。」
「・・え。」

 田中はレッドが提示した条件に困惑している様子だった。

「・・・わかったわ。約束する。」
「よし、決まった。時間がない。早く準備するんだ。」
「・・うん。」

 田中は出発の準備をするため、自分の部屋に戻った。

「俺たちもこの間に準備だ!一刻を争うぞ!」

 レッド、オレンジ、ブルーの3人は着の身着のまま出発しようとしていたため、何の準備もしていなかった。3人も各自の部屋に戻り、出発の準備を始めた。


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2006年03月09日

第14話 失踪

 "アキレス腱が切れるまで〜!"という合言葉とともにアキレス星から地球へとワープしたタピオカーンと少年隊。彼らの宇宙船はとてつもない勢いで地面に叩きつけられた。

「み、みんな生きてるかタイ?」

 タピオカーンは少年隊に無線で応答を求めた。

「う、うう。何とか大丈夫みたいで〜すよん。」
「生キテオリマス。」
「ほい。あたしもなんとか。」

 少年隊のうち3人からはすぐに応答があった。

「ん?ぽっちゃり君はどうしたタイ?ぽっちゃり君!?応答するタイ!」
「・・・。」

 タピオカーンがいくら叫んでもぽっちゃり君からは何の反応もなかった。

「タピオカーン様。カマーンで〜すけど、ぽっちゃり君は完全に寝ているみたいで〜すよん。ほら、かすかに寝息が聞こえませ〜んか?」
「何だとタイ!?」

 タピオカーンは声を押し殺して耳をそばだてた。

「・・・zzz。」
「ほんとだタイ。寝てるタイ。ぽっちゃり君はあんな激しいワープ中に寝てしまったタイか。なんと言ったらいいタイ。」

 タピオカーンはぽっちゃり君の図太い神経にあきれていると、突然ロボドリアンから無線が届いた。

「タピオカーン様!ロボドリアンデス!ワタシ川島ノ宇宙船ノ隣ニイルンデスケド・・・。」

 ロボドリアンは動揺してうまく話せていなかった。

「ロボドリアン!どうしたタイ!」
「川島ガ・・。川島ガイマセン!!」

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2006年03月01日

第13話 ユメノツヅキ

 サバレンジャーをあざ笑うかのような超スピードで地球に到着したタピオカーンたち。アキレス星と地球との距離を考えると、想像を越えた早さであった。では、なぜ彼らはこのような早さで地球にやってくることができたのだろうか。少し時間をさかのぼってみよう。
 ここは出発当日のアキレス星。タピオカーンは選ばれた少年隊の面々を自宅の居間(6畳)に集めた。

「いいかタイ!いよいよ今日、地球に向けて出発するタイ!我々の力を持ってすればサバレンジャーなど大したことないタイ!ただタイ!油断だけはするなタイ!そうすれば必ず勝てるタイ!」

 タピオカーンは少年隊1人1人の顔を見回し、それぞれのこの侵略における意気込みを確認しているようだった。

「な〜んだタイ。川島。そんな暗い顔してタイ。新人でわしに付き添えるなんて光栄じゃないかタイ。」
「・・・。」
「まあいいタイ。監督から何を吹き込まれたかわからんが、お前には頑張ってもらわんと困るタイ。ヘマしたら承知せんタイ!」
「・・・はい。」

 川島は最後までタピオカーンと目を合わせようとはしなかった。

「タピオカーン様。そんなことより、早く出発しないと地球に着くのが遅れてしまい〜ますよん。地球まではどんなに早くても1週間はかかるはずで〜すよん。」

 カマーンは何も言わない川島に郷を煮やし、タピオカーンに出発を促した。

「そう焦るなタイ。確かに今まではそれくらいかかっていたタイ。実際にタピオカ星人の時も10日かかったみたいだタイ。だが、今回は一瞬で着く予定だタイ。」
「エ!?タピオカーン様。ソレハ絶対ニ無理デスヨ。」
「そうですよ〜。ワープなんてできないで〜すから。」

 少年隊は一斉にタピオカーンに向かって不満を漏らした。

「ワープかタイ。それができるんだタイ。こっちに来いタイ!タツノリ博士!」

 タピオカーンがそう言うと、隣の部屋から野球帽を被った爽やかな青年がやってきた。

「紹介するタイ。彼はタツノリ博士タイ。かつてアキレス星の野球プロリーグで打点王を獲ったこともあるタイ。今ではその経験を活かして、行動力学の研究者として日々頑張ってくれているタイ。」

 タツノリ博士はそう紹介されると一礼して口を開いた。

「はじめまして。私、タピオカーン愛をモットーに日々行動力学の研究に励んでいるタツノリ博士と申します。時間がないので早速ですが、私が先日開発したユメノツヅキの説明をさせていただきたいと思います。」

「ユメノツヅキ?何なのそれは〜?インチキ臭い名前だわ〜。ね〜、手羽先マン?」
「ほい。あたしもそう思うわ。ほい。」

 カマーンと手羽先マンは目の前に突然現れた謎の博士を未だ信じられない様子であった。

「まあ、聞いていてくださいよ。このユメノツヅキは簡単に言うと、全宇宙のあらゆる場所に一瞬でワープできることを可能にしたものなんです。」

「ナンダッテ!マサカソレガサッキタピオカーン様ガ言ッテイタ・・。」

 ロボドリアン信じられないといった様子で、短い手をバタつかせた。

「そうなんです。では、やり方を説明しましょう。まず、このユメノツヅキをみなさんの頭につけさせていただきます。そして宇宙船に乗り込み、出発と同時に合言葉を叫んでいただきます。」

「ほい。合言葉?なんなのよ、それ?ほい。」

「合言葉は"アキレス腱が切れるまで〜!"です。できるだけ大きな声で叫んでください。そうしないとユメノツヅキが反応しませんから。それだけです。簡単でしょ?」

 タツノリ博士はそう言うと、ユメノツヅキをタピオカーンと少年隊に配り始めた。

「なんだか信用できないわね〜。」
「カマーン!ぐだぐだ言ってないで、さっさと宇宙船に乗り込むタイ!」
「わかりましたよ〜。」

 ユメノツヅキを受け取ったタピオカーンと少年隊は各自の宇宙船に乗り込んだ。

「いいかタイ。みんなで同時に合言葉を叫ぶタイ!ぽっちゃり君!起きてるかタイ!?」
「・・・ふぁい。」
「よしタイ!ぽっちゃり君が起きてるうちにさっさと出発するタイ!いくタイ!せーのっ!」

アキレス腱が切れるまで〜〜〜〜〜〜!!!!!

 





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2006年02月28日

第12話 到着

 アキレス星でこのようなことが起こっているとはつゆ知らず、イカレッド、ウミヘビブルー、ヒトデオレンジの3人は地球で厳しい修行を続けていた。そしてさらに1年の月日が流れ、タピオカーン一味が出発するとされる文化の日を迎えた。

「とうとうこの日が来たか。」
「そうヘビね。」
「相変わらず、地球人たちは何の警戒もしてないわね。」

 3人はこの日は修行には出ず、リビングで優雅に田中特製シーフードパスタを食べていた。

「なあ、レッド。今日出発するとなると、奴らは何日後に地球に到着するヘビか?」
「う〜ん、それがわからないんだ。アキレス星と地球がどれだけ離れているかもわからないからな。」
「あんた。それじゃ、どうしようもないじゃない。到着する場所もわからないんでしょ?ほんとに使えないわね。昔から。」
「なんだと!」

 レッドはオレンジにつかみかかった。もうすでに274回目である。ブルーも田中も最初のうちはあまりに激しい喧嘩のため、驚いて必死で止めていたが、今では修行の一環として終始見守っている。

「はあはあはあ。余計な体力使わせやがって。」
「あんたから売ってきたんじゃない!まったくいい年して。」
「それは姉ちゃんも同じことだろ!」
「なんですって!年のことは言わない約束でしょ!」

 今度はオレンジがレッドにつかみかかった。こうして終わりそうで終わらないのも、2人の喧嘩の特徴である。

「はあはあはあ。余計な体力使わせやがって。」
「あんたが変なこと言うからじゃないの!まったくいちいち人の気にすることを平気で言うんだから。」
「デリカシーのなさなら姉ちゃんには負けるけどな!」
「なんですって!あんた女性の敵よ!少しは男らしくしなさい!」

 再びオレンジがレッドにつかみかかった。ここまでくるともう果てしない。2人を無視してブルーは残っていたパスタを食べ始め、田中はお茶を入れに行った。その時、テレビから速報を告げるチャイム音が鳴り響いた。

「2人ともちょっと落ち着くヘビ!なんか変ヘビよ!テレビを見るヘビ!」

 ブルーの声を聞き、レッドとオレンジは手をとめてテレビに目を向けた。お茶を入れに行っていた田中も戻ってきた。すると徹子の部屋が映し出されていたはずの画面が慌ただしい報道スタジオに切り替わった。

「何があったヘビ!?」
「どうせまたしょうもない事件だろ。まったくこんな時になにやってるんだ。」
「あんたも言えた立場じゃないでしょ。」

 しばらくすると、キャスターが動揺した様子でニュースを読み始めた。

「え、え〜、突然ですがニュースをお伝えします。先ほど宇宙船と見られる6つの物体が東京の上空に突然現れました。宇宙船は近くの広場に着陸し、広場の前に店を構える酒屋「親父」の店主を人質に立てこもっているようです。・・・・」

 レッド、ブルー、オレンジ、田中の4人はまさにあっけにとられた様子でテレビに釘付けになったいた。そして事態を飲み込んだレッドが口を開いた。

「こ、これはタピオカーン達なのか!?早すぎるぞ!!」
「そうしか考えられないヘビよ!!ちくしょー!!やられたヘビ!!」
「あんた達、早く行かないと!!」

 3人は何の準備もせず、玄関へと向かった。
 
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2006年02月27日

第11話 謀られた川島

 川島は決起集会の後、自分の部屋には戻らないでそのまま監督の部屋に向かった。そしてノックもせず、すごい勢いでドアを開けた。

「監督!なんでタピオカーン様に言ったんです!僕の父がイカレッドだということを!これは僕たちだけの秘密にしておくはずだったじゃないですか!」
「お〜、川島か。まあまあそうカリカリするな。ちょっとここに座れ。」

 監督はそう言うと川島を部屋の奥へと招きいれ、興奮冷めやらぬ様子の川島を自分の隣に座らせた。

「監督!こんなところでのんきに座ってる場合じゃないんですよ!早く僕の質問に答えてくださいよ!」
「これ、落ち着け川島。お茶でも飲んでな。」

 監督は川島にお茶を差し出した。

「こんなもの飲めるわけがありませんよ!」

 川島は出されたお茶を壁に向けて投げつけた。

「・・川島。よく聞いてくれんかの。お前、地球の両親に向けて手紙を書いたじゃろ。」
「・・・なぜ、それを。」
「なぜだか教えてほしいか。お前はこのアキレス星に来てまだ5年足らずじゃ。わからないのも無理はない。この星ではな、他の星に向けて出される郵便物については厳重な検閲が行われるんじゃ。」
「検閲が!?」

 川島は驚きのあまり全身の血の気が一気に引いていった。

「そうじゃ。したがってお前の出した手紙もしっかりと検閲されていたんじゃよ。」
「で、では、僕の書いた手紙は地球に届けられていないということですか!?」
「本来ならそうであるはずじゃ。しかし、このことを聞きつけたタピオカーンがお前を利用しようとしたんじゃ。」
「利用?というと?」
「手紙の内容を変えたんじゃよ。」
「え!?」

 川島は事態を理解できていない様子であった。

「お前、手紙で両親に何と伝えたんじゃ?」
「え、確かブルーおじさんと一緒に違う星に逃げてくれって。地球人はどうなってもいいけど、自分の親とブルーおじさんだけには助かってほしかったから。」
「なるほど、そうじゃったか。」
「ということは、それが違う内容に変えられたってことですか!?」

 川島は思わず立ち上がった。

「川島。焦る気持ちもわかる。しかし今更どうにもならん。」
「監督。ではどんな内容に変わったんですか?」
「タピオカーンは非情は奴じゃ。あやつはお前の父親に地球を守らせようと仕向けたんじゃ。」
「なんだって!?ということは、僕がお父さんにタピオカーン様を倒してくれと頼んだことになっているんですか?」
「その通りじゃ。実の息子の願いを聞かない父親はいないじゃろ。今頃、地球で必死に修行しているはずじゃ。」
「・・・なんてことだ。今のお父さんがどう頑張ってもタピオカーン様には勝てない。ブルーおじさんがいたって。・・・ちくしょう。どうすれば。」
「タピオカーンはお前に父親の苦しむ姿を見せてやりたいんじゃろ。ここまでくると真の悪党じゃな。川島。わしに考えがある。ちょっとこい。」

 そう言うと監督は川島に耳打ちをした。

「か、監督!そんなことできるわけ・・・。」
「まあ、わしに任せておけ。その代わり、これから出発まで毎日わしの部屋にくるんじゃよ。」











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2006年02月20日

第10話 あと1年

「チョット待ッテクダサイ。カワシマハアキレス星ニ来テマダ5年デス。イクラナンデモ早過ギルトオモウノデスガ。」

 ロボドリアンは短い手足を最大限に使って不満を爆発させた。そしてカマーンもロボドリアンに続いた。

「ロボドリアンの言うとおりよ〜。いくらタピオカーン様の判断と言えど、それだけは納得できませ〜んことよ。しかも、川島は地球からやってきたらしいじゃな〜いの。自分の故郷を自分の手で滅ぼせるほど非情な奴には見えませ〜んけど。ねえ〜、ぽっちゃり君。」
「・・・・zzz。」
「ま〜た寝てるわ。ほんとよく寝る子。まあ、いいわ。手羽先マンもそう思うでしょ〜?」

 カマーンは深い眠りについたままのぽっちゃり君を無視し、手羽先マンに同意を求めた。

「ほい。あたしも反対です。聞くところによると、川島の父親はあのサバレンジャーのリーダーであるイカレッドのようですし。地球に着いた瞬間裏切られたら、たまったもんじゃないですよ。」
「そうなの〜!?それは初耳だわ〜。とにかくみんな今回の地球侵略に川島が参加するのは反対ってことよね〜。ね〜川島。あんたはどうなのよ〜。」

 カマーンは今まで黙ってうつむいていた川島に語りかけた。

「・・ぼ、ぼくは・・。」
「どうしたの〜!?何か言いなさいよ〜。」

 カマーンはそう言うと川島に近づき、胸ぐらをつかんだ。そしてそれを見ていたタピオカーンがついに口を開いた。

「やめるタイ、カマーン。確かにお前らの気持ちはわかるタイ。しかし、なんで川島がここアキレス星にやってきたか知ってるかタイ?地球を滅ぼすためタイよ。川島は地球人が憎くてしょうがないタイ。裏切ることは絶対にあり得ないタイ。」
「確カニソウカモシレマセンガ・・。」

 ロボドリアンは未だ納得いかないようすでタピオカーンの顔を見た。

「よく聞くタイ。それに今回の地球侵略には川島が必要タイ。さっき手羽先マンが言った通り、川島の親父はイカレッドタイ。そこでタイ。親父が実の息子と戦えると思うかタイ?」
「あたしには無理です。なるほど、川島はイカレッドの動きを封じる人質の役目を担っているということですね。」
「その通りタイ。リーダーであるイカレッドの動きさえ封じれば、サバレンジャーの力など全然怖くないタイ。川島。協力してくれるタイな。」

 タピオカーンは鋭い目つきで川島を睨みつけた。

「・・・はい。」

 川島は真っ青な顔でそう一声発するのがやっとのようであった。

「よし決まったタイ!出発まであと1年タイ!各自体調をしっかり整えて出発に備えるタイ!いいなタイ!?]
「は〜い。」
「ハイ。」
「ほい。」
「・・・zzz。」
「・・・は、はい。」

 川島は誰もいなくなった居間で1人何かを考えているようだった。






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2006年02月18日

第9話 スタメン発表

 ちょうどその頃アキレス星では、地球への出発を前にタピオカーンがタピオカ少年隊全員を自宅の居間(6畳)に集めて決起集会を開いていた。

「皆の者!よく聞くタイ!わしは親友であるタピオカ星人の仇を討つために、地球を滅ぼすことに決めたタイ!しかし、地球にはタピオカ星人を倒したサバレンジャーとかいうヒーローがいるそうだタイ!決して楽な相手ではないタイ!」

 タピオカーンがそういうと、タピオカ少年隊の1人が口を挟んだ。

「あ〜ら、タピオカーン様。確かサバレンジャーはタピオカ星人との戦いで3人を失ったらしいじゃな〜いの。残った2人で一体何ができるというんで〜すか。」

 さらにもう1人が続いた。

「ソウデストモ。我ラタピオカ少年隊ハ1人1人ガタピオカ星人ニ匹敵スルパワーヲ持ッテオリマス。タピオカーン様ノデル幕ハナイカモシレマセンヨ。」

タピオカーンは2人の話を黙って聞いていた。そして2人の話が終わるとゆっくりと語り始めた。

「なめたらいかんタイ。わしの親友の仇タイ。どんな相手でも全力で倒すタイ。いいか、よく聞くタイ!今回は少年隊の中から5人を連れて行くタイ!いつもは多くても3人だったタイ。しかし、今回は最高の5人と共にわしの圧倒的な力を地球のクズどもに見せ付けてやるタイ!」

 タピオカーンは興奮のあまりちゃぶ台を叩き割ってしまった。しかしタピオカーンの興奮は治まらず、話は続いた。

「では発表するタイ!名前を呼ばれたら返事ををして立ち上がるタイ!」

 タピオカーンがそう言った瞬間、少年隊たちの周りに張り詰めた空気が一気に流れた。

「まず1人目タイ。中性アイドルカマーン!」

「は〜い。お呼びで〜すか。また暴れられるのね〜。うれし〜い。」

 カマーンはそう言うと、タピオカーンに向けて投げキッスをした。

「カマーン!もうやめるタイ!連れて行かないタイよ!・・では2人目タイ。超精密ロボドリアン!」

「ワカリマシタ。全力デ職務ヲマットウシマス。」

 ロボドリアンは短い手で敬礼らしき動きをした。しかし、頭にはまったく届いていなかった。

「続いて3人目タイ!見た目より少食ぽっちゃり君!」

「ふぁい。やっと出番ですかぁ。・・・・。」

 ぽっちゃり君は話の途中で寝てしまった。

「ぽっちゃり君!寝るなタイ!おい、誰か起こせタイ!・・まったく、世話の焼ける奴タイ。でも、今回の戦いはぽっちゃり君の力が絶対必要タイ。よし、次4人目タイ。名古屋名物手羽先マン!」

「ほーい。あたしですか。初めて呼ばれましたわ。」

 手羽先マンは香ばしい匂いを漂わせながら言った。

「お前のその匂いが鍵を握るタイ。そして、最後5人目タイ。新人川島!」

 川島の名前が呼ばれると、一気に居間はざわついた。そして明らかに他の少年隊たちはタピオカーンに対して不信な目を向けていた。果たしてタピオカーンの胸中はいかに。
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2006年02月17日

[外伝]アニョハセヨ、コリア

この手紙は、旧サバレンジャーの一員でありタピオカ星人との死闘の末この世を去ったミジンコブラックが、幼い頃に生き別れた兄シジミブラウンを探すため世界中を渡り歩いた際に残した心の叫びである。

 前略 ブラウン兄さん

 お元気デスカ。ミーは深爪デス。

 ブラウン兄さんがミーたち家族の前から姿を消してから何年経ったダロウ。はじめはいつものように近くのパチンコ大魔王に行っただけだと思ってたヨ。3日間帰ってこなくても、1週間帰ってこなくても、父さんや母さんたちは出玉が多くて持って帰って来れないんじゃないかなんてふざけていたんダ。結果はこうサ。ミーがあれほど警鐘を鳴らしていたのにネ。パチンコ大魔王は出ないッテ。因果応報ダヨ。一触即発ダヨ。

 あれから毎日、夜も眠れなかったヨ。おかげで昼夜逆転、夜眠れるようになった今も昼寝が欠かさずなってしまったヨ。19時間睡眠!残り5時間はスイミング!

 どれだけ待っても兄さんは帰ってこない。そうだ、待ってるだけじゃダメダ!そう思ってミーは兄さんを探すことにしたんダ。母さんの話によると日本はもうくまなく探したラシイ。国内じゃない・・・ヤツは海外ダ!そう思ってミーは韓国に来た。なぜかって?兄さんチゲ鍋が好きだったじゃないカ!大胆不敵ダネ。

 飛行機のチケットを買うお金がなかったから勝手に忍び込んだケド、体が小さい微生物のミーを誰も発見することができなかったネ。ざまあ味噌漬けダヨ。厚顔無恥とは言わないでくれヨ。

 ただ飛行機で誰もミーを見つけられなかったのと同じヨウニ、韓国では兄さんを見つけることはできなかったネ。日本と似ている国だし、何よりチゲ鍋が好きダカラ、見つかると思ったんだケド・・・。でもまだまだ1ヶ国目ダ。世界中を飛び回ってきっと見つけてみせるヨ。飛行機代もかからないしネ。傍若無人だけどネ。

 ああ兄さん、どこにいるんダ?韓国にはいなかったケド、この思いが伝わることを願って手紙を書いてビンに入れたんダ。これを東シナ海に投げたら、兄さんのところにきっと届くんじゃないカナ。他力本願だけどネ。

 早く会いたいヨ、兄さん。

 アナタガ、スキタカラー!

ミジンコブラック

2006年02月13日

第8話 知られざる過去

 3人になった新生サバレンジャーはその後も順調に修行をこなしていった。3人になり、さらに内容の濃い充実した日々を送れているようだった。そして2年の月日が流れたある日、いつも通りの修行を終えた3人は、先日ツタヤで借りてきた映画「いかレスラー」に胸躍らせながら家に向かって歩いていた。その時、ふとブルーが口を開いた。

「なあ、レッドヘビ。どうしてお前とオレンジは18年間も離れ離れだったヘビか?連絡先をしってるヘビなら、タピオカ星人との戦いの時だって助けを借りられたはずヘビよ。」

 レッドは、いらんことを聞くなとばかりにブルーを睨みつけた。

「わ、悪かったヘビ・・。ちょっと気になっただけヘビよ。」
「ブルー。悪いがそれだけは聞かないでくれ。一生のお願いだ。」

 レッドはそういうと一瞬オレンジに視線を向けた。オレンジは無表情でうつむいたままだった。

「レッド。わいは2人を親友と思っているヘビ。秘密にされたままじゃ、命かけて2人と一緒に戦う覚悟ができないヘビ。頼むヘビ!教えてくれヘビ!すまんヘビ。2人を疑っているわけではないヘビけど。」
「・・そうか。そうだよな。お前は俺たちに嘘偽りなくすべてをさらけ出してくれている。それなのに俺たちには秘密がある。フェアじゃないよな。俺もイチローと同じように何事もフェアプレーを重んじるんだ。わかった!すべて話そう!いいな!?姉ちゃん。」

 オレンジはようやく顔を上げ、少し投げやり気味に言った。

「あんたの好きにしな!」

 オレンジはそう言うと再び何かを避けるようにうつむいた。

「さて、姉ちゃんからの許可も出たところで話すとするか。」
「レッド。ありがとうヘビ。」
「まあ、気にするな。ブルー。俺たちは確かに腹違いの姉弟だ。そして俺が高校を出るまで一緒に暮らしていた。親に捨てられた俺たちにとって毎日が生きるための戦いだった。明日の食い物にも困る生活が続いた。俺は学校に通いながら板前のバイト、中でもイカの握りは親方に匹敵するほどだったんだぜ。姉ちゃんは中学を卒業してからずっと近くのプラネタリウムで、偽物の星のバイトに明け暮れてた。しかし、そんな夢も希望もない生活に愛想が尽きた俺は、高校を出たらイカしたタコになりたいと姉ちゃんに打ち明けた。タコの方が足も少なくてスタイルもいいしな。鍛えればタコになれると本気で信じていたんだ。俺は。もちろん、姉ちゃんは大反対だった。あの時の姉ちゃんったら、全身から何だか酸っぱい汁を出しやがって大変だったんだ。くせえし。」

 オレンジはレッドを何か言いたそうな目で睨みつけた。しかし、レッドは気にせず続けた。

「高校生という人生の中で最も多感な時期を過ごしていた俺は、そんな反対など気にも止めなかった。そして家を出る時、姉ちゃんは言った。2度と戻ってくるなってな。もちろん俺も戻ってくる気なんてなかった。しかし家を出て3日後、知り合いのタコじいさんのもとを訪ねた俺は衝撃の事実を知らされた。なんとどう頑張ってもイカはタコになれなかったんだ。そもそもまったく別物の生物なんだそうだ。早々、壁にぶち当たった俺は家に戻ることも考えた。しかし、あんだけ意気揚々と飛び出してしまった手前、そんなことできるはずもなかった。そしてそのまま18年という月日が流れたわけよ。」

 今まで黙ってレッドの話に耳を傾けていたオレンジがようやく口を開いた。

「ほんとにあんたは馬鹿よね!イカがタコになれるはずないってあんだけ言ったのに。あんたのことどれだけ心配したか!」

 何かが弾けたような勢いで話すオレンジの目にはうっすらと光るものが見えた。

「・・姉ちゃん。泣いてるのか?」
「泣くわけないじゃない!なんであんたなんかのために・・あんたなんかの・・うう。」

 オレンジは堪えきれずうずくまり声を押し殺して泣いた。

「・・姉ちゃん。ごめん。」
 
 レッドはオレンジの肩にそっと手を回し、優しく語りかけた。まさにバラ珍並の感動的シーンであった。そしてその側でブルーは誰よりも激しく泣いていた。

「スネ〜クスネ〜ク・・。」

 

 


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2006年02月12日

[外伝]エピソードV ミスの復習

この物語は、アキレス星最高の指導者であり8年前に地球にて永眠された故・タピオカ星人元帥が生前書き記した自伝である。

 おまえん家、天井低くない?
 おまえん家、天井低くない?

 こんにちは、タピオカ星人です。この自伝はこの章で終わるけど、元祖あるある芸人はふかわりょうだってこと、忘れるなよ。

 クーロンを訪れた衝撃とそのときの代理店社員の対応の良さから旅行代理店を志した私であったが、ここでも即行動派の私としては帰国後すぐに某旅行代理店の門を叩いた。高校卒業まで1年余り残ってはいたが、それまでの期間アルバイトという形で籍を置くことによって少しでも早く会社に慣れ、上司のポイントを稼ごうという現実的かつ姑息な手段を取ろうとしたのだ。

 「たのもー!御社に入社したいアル!」香港帰りを引きずってはいたが、どうやらその熱意は伝わったようだった。

 翌日から私はがむしゃらに働いた。旅の素晴らしさを多くの人に伝えるため、そして日本一の営業マンになるため。小さい店だったがそれだけにやりがいもあった。毎日が矢のように過ぎていった。

 高校を卒業し正社員として就職してから2年が過ぎた頃だった。それは突然やってきた。朝いつものように出勤すると、普段は事務の綾ちゃんが一足早く開いているはずのシャッターが締まったままになっていた。そして灰色のシャッターの中に一際目立つ白い紙が貼られているのが目に入った。何やら胸騒ぎがして近付いてみると、目に飛び込んできたのは驚くべき内容の文字たちであった。

 「倒産に伴う閉店のお知らせ」        

 そんなことがあってたまるか。確かに売り上げは冴えなかったかもしれない。しかしみんなで力を合わせてやってきたじゃないか。社長も、家族同然の私たち社員に何も告げずに店を閉めてしまうなんて・・・。どれくらい立ち尽くしていただろう。呆然と張り紙を眺めているうちに、たまたま遅刻した綾ちゃんやほかの同僚も続々と出社し、そして判で押したように落胆していった。そんな重い空気の中、ふと誰かが口を開いた。

 「僕たちで新しい会社を作ろう!新しい旅行文化を創ろう!」

 それからの行動は早かった。このときばかりは私の代名詞である「思い立ったが吉日」が全員に伝染していたのだと思う。私たちは新会社「JTV」を立ち上げ、軌道に乗せるため力を尽くした。

 しかし口コミや評判がモノを言う旅行代理店業界は、新会社には風当たりが強かった。私たちは何か目玉商品となるツアーを考えなければならなかった。そのとき私の脳裏を駆け巡ったのは、2年前のあの「香港19,800円」のチラシ、そして当時から約10年前にアポロ11号が成し遂げた月面着陸のシーンだった。月に誰もが気軽に行くことができたらどんなに素晴らしいだろうか。それこそが新しい旅行文化の創造に他ならないではないか。

 翌日、ワイドショーから経済紙まで日本全国を駆け巡ったのは「月19,800円」の文字だった。いける、これはいける・・・。

 大変なのはそこからだというのは想像に難くない。NASAやソ連、月島までを走り回った。そして1978年の秋、ちょうど中秋の名月の頃だったのは出来杉英才であるが、月へ向かった我々のシャトルは無事打ち上げられることとなった。

 1000m、5000m、10000m・・・。相模原が、日本が、地球がどんどん小さくなる。大気圏を突破し安定飛行に切り替わった瞬間、悲劇は起きた。

 「ま、窓の外を見ろ!」叫んだのは男だったか女だったか、それすら今は思い出せない。

 窓の外には、宇宙服も身に付けずに暗黒を浮遊している人種たちがいた。しかし何やらこっちを見て武器のような物を構えているようだ。このままでは危ない・・・。話し合いの末、一行を代表して旅行代理店の私が彼らとの折衝に当たることとなった。私は宇宙服を身に纏い外へ出た。

 「えーっと・・・日本語話せますか?」
 「スコシダケ話セルアル」

 インターナショナルというよりインタースターだろうか。日本語が話せることにも驚かされたが、「〜アル」言葉は彼ら発祥なのかもしれないということに度肝を抜かれた。

 「あー、あなたたちは誰ですか?」
 「・・・」やはり単語力には難があるらしい。しかし英語も話せるようで、今度は私が質問を受けた。

 「Where are you from? ドコカラ来マシタカ?」
 「オー、アースアース!」
 「Achiles? Realy? We are from Achiles, too. Let's go back together!」
 「オー、センキューセンキュー」

 そう言うや否や、私は近くの星に停泊していた彼らの高速宇宙船に乗せられた。何が何だかわからないまま、それでもなんとか「アキレス」というところに向かっているらしいことは理解できた。と同時に、もう地球には帰れないことを悟った。英語を勉強しておけばよかったとこのときほど思ったことはない。

 船内での話も尽きようとしたころ、思い出したように彼らは質問をしてきた。

 「ナマエハ? What's your name?」これぐらいの英語なら私にもわかる。
 「旅岡清二。タビオカセイジ」
 「Oh, I heard "Seijin" means man from other star. So you are from Tapioca? Tapioca Seijin?」
 「イエス、イエス」

 自分の名前が聞こえたので適当に返事をしておいたのが仇となったらしい。旅岡清二と名乗ったのが、タピオカ星人と解釈されてしまったようだ。なぜ私がアキレス星に連れて行かれているのか、それはアキレス星から来たとさっき言った(いや本当は言ってないのだが)からであるはずなのに、もうタピオカ星人ということになってしまった。本当は地球人なのに。にんともかんとも。アースと言ったのにアキレスと受け取られ、旅岡清二はタピオカ星人になり・・・。この致命的なミスが、私の人生を決定付けたことは言うまでもない。小学校の通信簿に担任から「少し滑舌が悪いです」と毎回書かれていたのを今さらながら思い出した。

 ちなみにではあるが、あのとき私をアキレス星に連れてきたアキレス星人こそ、私の後継者と目されているのちのバッファロー・タピオカーンである。私のその後のアキレス星での活躍はエピソードWからYに記したとおりだ。

 あなたは何人(なにじん)か?今そう聞かれたら、私はこう答えるであろう。「それは自分の心が決めることだ」と。

 でも、何人でも、「まいっか!」
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2006年02月11日

第7話 新メンバー

 レッドとブルーはいつものように近くの広場で修行に励んでいた。午前の修行を一通り終え、2人は昼食をとるためレッドの自宅へと向かった。

「いや〜、お前も強くなったヘビ!修行を始めた頃とは比べものにならんヘビよ。8年前以上かもしれないヘビ。」
「まあ、こんなもんよ!しかしあの必殺技さえ決まれば、さすがのタピオカーンもひとたまりもないだろうな。」
「そうヘビねえ。でもまだまだ時間がかかりすぎヘビ!」
「そうだな。どんなにすごい必殺技でも、溜めの段階で隙だらけになってしまったら意味がないからな。」
「そうヘビ!頑張るヘビよ!腹ごしらえして、またすぐに修行ヘビ!」
「おう!まっ、いつものように昼食はイカリングだけどな。」

 2人はこの修行でかなりの手ごたえつかみ、そして新必殺技をあみ出したようだった。その余裕からか2人の顔には終始笑みがこぼれていた。

「田中はん!腹減って動けないヘビよ!」

 ブルーはレッドの自宅に到着するといつものように勢いよくドアを開けた。

「・・・!?お前は誰ヘビ!レッド!早く来いヘビ!中に変な奴がいるヘビ!」
「何!?・・田中は無事なのか!?」

 レッドはブルーに続き家の中へと入った。2人はすでに戦闘態勢をとり、敵の攻撃に備えていた。

「・・・あんた。自分から呼んでおいてその扱いはないでしょ。」
「・・あ・・、お前だったか・・。」

 ソファーに堂々と腰掛けた女はレッドを見るとあきれたように言った。そして、台所から田中が慌てた様子でお茶を持って戻ってきた。

「あなた。お客さん来るなら先に言ってよね。ちらかりっぱなしじゃないの。ほんとに汚い部屋でごめんなさいね」
「いえいえ。気にしないで。」

 女はそう言うと立ち上がりレッドに近寄った。そしてレッドの顔を覗き込んだ。

「18年ぶりかしら?あんたも老けたわねえ。こう見るとやっぱり似てないわ。姉弟なのに。」
「うるせえ!姉ちゃんこそ老けたな。若い頃は少しはイケてる姉ちゃんだと思ってたのにがっかりだぜ。」
「あーら、そんなこと言うなら帰るわよ。いいの?他でもない弟の頼みだからはるばる遠くからやってきたのに。」

 女はそう言うと再びソファーに腰を下ろした。そこで、これまであっけにとられたように呆然としていたブルーが口を開いた。

「あのヘビ。わいの聞き間違いかと思うヘビけど、さっき確か2人は姉弟って・・。」
「あなた何も知らないのね。レッドから聞いてない?私たちは紛れもなく姉弟よ。まあ、腹違いだけどね。私の名前はヒトデオレンジ。よろしくね。あんたは?」
「そ、そうだったヘビか。レッドがこの前言ってた心当たりってあんたのことだったヘビね。わいの名前はウミヘビブルー。レッドと一緒に修行しているヘビ。じゃあ、一緒にタピオカーンと戦ってくれるヘビか?」
「可愛い弟の頼みだからね。あの子が私に頼みごとをするなんて初めてだから。」

 レッドは照れくさそうに視線をオレンジから逸らした。田中は未だに事態を飲み込めていないようだった。
 
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第6話 心当たり

 8年ぶりの再会を果たしたレッドとブルーは、その翌日から早速修行を開始した。しかし、8年間まったく体を動かさずに怠けた生活を送っていたレッドにとって、その修行は過酷を極めるものであった。ここでは2人が毎日こなしている修行の一部を紹介しよう。
 
 4:30 起床
 5:00 イカジョギング
 7:00 朝食(イカそうめん)
 9:00 イカダ作り
10:30 イ〜カンジな組み手
12:00 昼食(イカリング)
13:20 「徹子の部屋」観賞
14:00 イカ的イメージトレーニング
16:00 イカったタピオカーンを何とかするための必殺技を考える
18:00 カイヤ川崎と対談
20:00 夕食(天ぷらそばイカ天限定)
21:00 「キスいや」でイ〜カップルに感動する(たまに涙流す)
22:00 イカりに震えた過去の自分を思い出す
23:30 就寝

 という感じである。まさにイカに囲まれた生活を送っているのである。そんな生活を続けるうちに、レッドは当時の自分に戻っていく手ごたえを感じていた。そんなある日の夜。

「なあ、ブルー。」
「どうしたヘビ?」
「このまま修行を続ければ俺は必ず8年前の俺に戻る。いや、それ以上になる自信がある。それくらいの手ごたえをこの修行で感じている。しかし、ブルー。実際に戦うのは俺たち2人だけだろ。俺とブルー、2人が力を合わせてもタピオカーンには勝てるかどうか。」
「レッド。実はわいも同感だヘビ。今度やってくるタピオカーンはタピオカ星人の何倍もの強さとみてよいヘビ。そんな奴を相手にわいたち2人で何とかなるほど甘くはないことはわかってるヘビ。」
「じゃあ、どうするんだ。サバレンジャーはもう俺たち2人しかいないんだ。ウミユリイエローもアンモナイトピンクも、そしてミジンコブラックもみんな死んでしまったんだ。」
「ああ。わかってるヘビ。確かにわいたちには仲間が必要ヘビ。しかし、平和に慣れちまった怠け者の地球人に命をかけて戦える戦士がいるヘビか・・。せめて、死んだあいつらの血を引く奴でもいればヘビ。」
「血を引く者・・か。」
「ヘビ?レッド、心当たりあるヘビか!?」
「あ、ああ。まあな。できることならあいつの手は借りたくなかったが・・。」

 そう言うとレッドはどこかへと電話をかけ始めた。

 

 

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2006年02月10日

[外伝]エピソードU クーロンの衝撃

この物語は、アキレス星最高の指導者であり8年前に地球にて永眠された故・タピオカ星人元帥が生前書き記した自伝である。

 T!A!P!ためて〜IOCA!

 アキレス星のジョーダンズことタピオカ星人です。この自伝もあと2章となってしまった。残念だがこれ以上語ることがないので致し方ない。というか既にエピソードXあたりから書くことがなくなって無理が出てきているのを懸命な読者諸君ならお気づきであろう。今日は香港旅行の話をしよう。

 香港旅行の話といってもただの旅行日記ではない。私がその後2年間の人生を、いやアキレス星に渡ったこと自体を決定させたという意味では、約22年余りの人生を決める重要な2泊3日だったのだ。そう考えると自伝に書くべき内容であることはおわかりいただけると思う。

 相模原駅前の商店街で香港旅行のチラシを見た3時間後、私は羽田にいた。成田空港はちょうどアキレス星に渡ってきた頃に開港したが、1975年時点では国際線も羽田から発着していた。初めての海外に期待に胸躍らす17歳の若者の姿は、まだ海外旅行がメジャーではなかった当時の日本で少し羽田に似つかわしくなかったかもしれない。

 チラシに記載された旅行会社のカウンターを訪れると、そこにはいかにもという感じの折り目正しいスーツ姿の係員がいた。

 「す、すいません。このチラシを見てきたアル」気分は既に香港だ。
 「そうアルか、じゃあこれが航空券アル」それは彼も同じらしい。それにしても日本における中国人はなぜ「〜アル」と喋るキャラ設定なのだろう。そんな中国語ないのに。
 「シェ、謝々」

 はじめての飛行機では一睡もできなかった。というのも緊張したわけでも映画に熱中していたわけでもなく、隣の彼が話しかけてきてうるさかったからだ。旅行会社の社員のくせに相当テンションが上がっているらしい。

 「僕海外初めてアルよ!わくわくするアルなー。香港には何があるアルかね?アルゼンチンとかアルジェリアとかもあるアルかね?」

 つっこみどころが多すぎて話にならない。それでも少なくとも彼も私と同じで旅行会社の社員のくせにはじめての海外旅行らしいということは理解ができた。

 その後の三日間、彼がアルアル言葉を貫き通したことはうざいことこの上なかったが、とても優しく尽くしていただいた。そして何より、香港の輝くような夜景は相模原では見ることのできないものだった。クーロンという場所をご存知だろうか。九つの龍と書いて九龍。いわばここが香港の中心であり、これまた相模原にはない活気を放っていた。

 海外旅行。普段の生活を忘れいろいろな文化に触れることのできる、人間が生み出した最高の文化だ。私はクーロンの地でそう悟った。クーロンだけではない。世界には私の知らない場所が星の数ほどあるはずだ。そんな旅行を作り上げ、幸せを分けてあげることのできる職業が、旅行代理店であろうことは明白だった。

 「決めた!俺は旅行代理店の営業マンになる!この星で一等賞の営業マンに!」

 クーロンの夜空に、希望に満ちた声がいつまでも響き渡っていた。
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第5話 断固たる決意

 ブルーのいるスネークコロシアムからレッドの住む村まではおよそ1300キロという距離であったが、無一文であるブルーは公共交通機関を使用することもできず、自慢の原チャリ「ヘビっ君」に乗ってレッドの住む小さな村に向かった。そして5日後・・。

「確か、レッドの家はこの辺だったヘビなあ?」

心身ともにボロボロになりすぎて失禁寸前だったブルーはヘビっ君を降り、徒歩でレッドの家を探し始めた。

「あ、あったヘビ!いや〜、懐かしいヘビねえ。ヘビ!懐かしんでる場合じゃないヘビよ!とにかく今はトイレヘビ!!レッド!レッド!いるヘビか!?」

ブルーは激しくドアをノックし続けた。すると中から千代大海似のぽっちゃりおじさんが顔を出した。

「あれヘビ?ここはイカレッドの家じゃないヘビか?あんたは誰ヘビ?」
「おお!!何言ってんだよブルー!俺がレッドだよ!お前、命がけで一緒に戦った戦友の顔も忘れちまったのか?」
「ヘビ?お前がレッドへビか?い、いやそんなことはないヘビ。レッドはもっとスタイルが良くてベッカムに似ていたヘビ。」
「まあ、確かにこの8年で少し太っちまったかもな。何もせずに酒を飲んでは毎日ギャンブルにはしってたからな。姿形は変わったかもしれないが、俺は紛れもなくイカレッドだよ。そんなに信じられないならこいつに会ってみたらどうだ。」

 レッドが一声かけると中から田中が出てきた。

「あら、ブルーさん!久しぶりねえ。8年ぶりになるかしら。」
「・・嘘ヘビ。あんたはそっくりさんヘビ!みんなでわいを騙そうとしてるヘビよ!」
「・・ブルーさん。信じられないのも無理はないわよね。あの人の変わり様ったら尋常じゃないもの。でもね、これが現実なの。ブルーさん、落ち着いて。」

 田中はブルーを中へと招きいれ、リビングのソファーへと座らせた。そして田中はお茶を入れに台所へ向かった。

「レッド。わいはがっかりしたヘビ。タピオカ星人を倒してから8年、わいは死んでいった仲間のためにももっと強くなろうと思ったヘビ。地球が再び誰かに襲われても負けない強さが欲しかったヘビ。だから戦いが終わってすぐに旅に出たヘビ。でも、あんたは何だ。地球が平和になって気が抜けちまったヘビか!お前はそれでもサバレンジャーのリーダーヘビか!」

 ブルーは興奮のあまりレッドに飛びかかった。レッドは咄嗟に頭を手で覆い、防御の体勢をとった。その頃、田中はまだお茶を入れていた。

「ちっ、違うんだブルー!よく聞いてくれ!!俺は・・。」
「言い訳は聞きたくないヘビ!!このままじゃ確実に負けるヘビよ。タピオカ一味の強さはお前もわかってるはずヘビ。だが、お前は来なくていいヘビ。わいは1人で戦うヘビ。」
「なぜだブルー。俺も行く。行かせてくれ。」
「来なくていいヘビ!!足手まといヘビ!今のお前はタピオカのタの字も倒せないヘビ!」
「い、意味がわからんがまあいい。ブルー、聞いてくれ。俺は8年間ずっと地球人を憎み続けてきた。地球なんて滅んじまえばいいと思ってた。でも、お前と話して目が覚めたよ。俺は間違ってた。戦い続けることが俺たちサバレンジャーの使命なんだよな。ありがとな、ブルー。このまま死んでたらあの世で3人に顔向けできないところだったぜ。」
「・・・レッド。お前の気持ちはわかったヘビ。しかし、そのなまりきった体ではどうにもならんヘビ。もう無駄死にはさせたくないヘビ。」
「確かにこの体では間違いなく無駄死にするだろう。ただ、あと3年あるんだ。3年かけて8年前の体に戻してみせる!」
「ほんとにできるヘビか?」
「できるさ!修行、付き合ってくれるか?ブルー。」
「わいの修行は厳しいヘビよ!!」
「かまわん。のぞむところだ!」

 レッドとブルーの2人は互いに抱き合い、サバレンジャーとして最後まで戦い続けることを誓った。そして3年間、レッドにとって地獄に等しい修行の日々が始まることになる。

「レッド!!トイレ貸してくれ!!」

 その頃、田中はまだお茶を入れていた。

 



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2006年02月09日

[外伝]エピソードT バンドヲ・メザス

この物語は、アキレス星最高の指導者であり8年前に地球にて永眠された故・タピオカ星人元帥が生前書き記した自伝である。

 タピオカー。タピオカー。わーれらーのタピーオカー。

 こんにちは。登場早々タピオカ星人オフィシャル応援歌を歌わせていただいた。この章からは地球期のことについて話そうと思う。

 そもそも、他星から来たということは言っても、私が地球出身であるというところまではあまり公にしてこなかった。そのためこの自伝を読んでいるアキレス星民の諸君は少なからず驚きを隠せないと思う。タピオカ星人と言っているぐらいだからタピオカ星から来たとお思いかもしれない。しかしおそらく小6ぐらいで配られた星座早見表をお道具箱から出してきて見てほしい。タピオカ星なんてないのだ。これで90部は売れるだろう。さらに地球時代の生活や人となりを赤裸々に語ってしまうのだからお得である。95部ぐらいは売れるだろう。

 1958年、私は福岡県大牟田市に生まれ、小学校の途中からは神奈川県厚木市で過ごした。これも明かさなかったが、執筆している1998年時点で40歳を迎えるということである。ここまで公にしてしまってはあとは同じである。まずは略歴から綴っていこう。

 中学は厚木市と相模原市の学校に通った。高校は東海大相模高校。卒業後すぐに旅行代理店に就職し、2年間の勤務の後ひょんなことからアキレス星へ。1978年のことだった。その後の20年はエピソードWからYで語ったとおりである。

 今日はそんな地球期の高校時代までの話をしよう。青春時代はギターに明け暮れた。小学校高学年から中学生の多感な時期に、ビートルズが世界中を席巻しそして解散していったのを見ていたからだろう。一日中ギターと一緒だった。朝起きるのはギターの音色、歯磨きもギターなら食事もギターに盛り、ギターに乗って学校に通った。すき焼きにはしらたきの替わりに弦を入れたし、将棋やオセロはピックで指した。そこまでギターとともに過ごしていたのはクラスでも私だけだった。しかしそんな生活からか、練習はあまりできずにいた。

 高校に入ってからは、少しずつ演奏する練習にも取り組んでいった。バンドを組むことを目標にしていたのだが、なかなかいいプレイヤーたちは現れてくれなかった。

 「あーあ、しがない毎日だなあ。俺のギタープレイは最高なのに」
 「あらせいちゃん、帰ってたの」せいちゃんとは私のことである。
 「マミー。だって今日は短縮授業だぜ」
 「そう。あんたは放課後に遊ぶ友達もいないの?」
 「そんなもんこっちから願い下げだよ。つるむのは嫌いなんだよ」
 「あんたぐらいの年の頃はダディはねえ・・・」
 「ダディの話はいいよ!二言目にはダディダディって。どんだけダ行が好きなんだよ」
 「私だって五十音で話題を選んでるんじゃないわよ、でもダディはねえ・・・」
 「あーはいはいわかりました。ちょっと出かけてくるよ」

 外に出たはいいが別段行く当てもなかった。とりあえず駅前の繁華街を練り歩いていると、ふと電信柱に貼られたチラシが目に入ってきた。

 「香港ひとり19,800円」

 香港か・・・。ギターと何も関係はないが敬愛するジャッキー・チェンのいる街だ。その頃から「思い立ったが吉日」派の私は、その足で香港に向かった。これが今後の人生を大きく左右する旅行になることを、私はまだ知らなかった。
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2006年02月08日

第4話 ブルー登場

 タピオカ星人との激闘の後、サバレンジャーの1人であるウミヘビブルーはさらなる飛躍を目指してマダガスカルへと旅立った。それから8年もの月日を経て、一回り大きく成長したブルーは生まれ故郷であるスネークコロシアムに戻ってきた。

「この街も全然変わってないヘビなあ。」

 ブルーは8年前と変わらない景色を懐かしみながら家へと向かった。

「ヘビ!!残ってたヘビか!懐かしい我が家ヘビよ!」

 ブルーは8年間閉ざされたままだった自宅のドアを開け、中へと入った。

「そうヘビ!誰かから連絡があったかもヘビ。修行中は外部との接触を断つため、ポケベルを置いていったヘビ。どこにしまったヘビか?」

 ブルーは家中を探し回った。

「ヘビ〜。確かに置いていったはずヘビなのに。どうして見つからないヘビか。」

 そう言いながらブルーはポケットに手を入れた。

「ヘビ!?あったヘビ!もしかしてずっとポケットに入っていたヘビか!?まったく気づかなかったヘビよ。」

 そのずさんな管理能力もブルーの特徴である。そしてブルーは見つけたポケベルを覗き込んだ。
 
「ヘビ!?たった1件しかメッセージが入っていないヘビよ。しかもついさっきヘビ。わい、友達少ないヘビからなあ。どれどれ?」

 ブルーは8年間で1件しかメッセージが入っていないことに少々へこみながら、そのメッセージに目を通した。

 タピオカサイライ、スグニコイ。レッド。

「こっ、これはヘビ!!」

 ブルーはすぐさま家を飛び出し、レッドのもとへと向かった。鍵もかけずに。
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